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Author:芳野 朔
芳野です。自作小説と手芸、日々の雑感をたま〜に綴っていきます。尚、ここに投稿された小説の著作権は全て私、芳野にあり、他の文章はその筆者に著作権があります。無断転載・盗用等を禁止します。

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『ミスティ』

 港近くのホテルの最上階、ほの暗い店内には数人の客しかいない。女性歌手の気だるい歌声が流れている。あの時と同じように、窓側のテーブルに向かい合って私達は座った。小さな丸テーブルにはダークブラウンのテーブルクロスがかけられ、中央に置かれたランプの炎がオレンジの光を灯す。
 扉が開き客が入ってきた。見るとはなしに視線を向け、すぐに後悔した。三人の男性を従え、華やかに現れたのは夫の幼なじみだった。視線が絡みあう。彼女は艶やかな笑みを浮かべた。自分達の席に落ち着くやいなや、こちらに歩み寄ってきた。躯にフィットしたワンピース。歩くたびに裾がゆるやかに波打つ。襟元は大きくくられ、白い肌に細かなパールが煌く。挨拶を済ませると、当然のように夫の隣に腰をおろした。テーブルに肘をつき、とりとめもないない話をする。夫が何か冗談でも言ったのだろうか、笑いころげ、しなやかで細い指が夫の肩に触れた。親密な空気が重い。
 夫の隣に座らないで。
 喉まで出かかった言葉を私はジンジャーミストで流し込む。冷たさに感覚が麻痺した。
 俯き、地味で面白みのない自分の服に視線を落とした。夫の浮気は今に始まったことではない。おそらく、彼女も。喧嘩の回数も、夫を取り巻く女の数も、数えるのにも疲れてしまった。
 私は立ち上がり他人となる。


  −了−


〜「幼なじみ、浮気、回数」「女性の一人称」

ユリの花の描写練習をしたくて書いた。主人公のテーブルの中央にユリが一輪、置かれてある状況だったんだけれども。飲食物を出すテーブルに、香りの強い花を置くとは、どうしても考えられず、削ってしまった。
最初から、違うものにして、ちゃんとユリを描けば良かった。
作品は面白くない出来です。。。。

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